フケの原因は乾燥やストレス?効果的な対策方法を解説します


毎日シャンプーしているのに、気づくと肩に落ちているフケ。清潔感のないイメージもあるため「なんとかしたい!」とお悩みの人も多いのではないでしょうか?

実はフケには2つの種類があり、それぞれに原因と対策が異なります。

そこでこの記事では、フケの種類ごとの原因と、効果的な対策方法を紹介します。

この記事の監修者

スタイリスト・鴨林 優

約10年青山や自由が丘エリアでトップクリエイターとして腕を振るう。こだわりある空間や製品作りに力を入れるため2011年に独立し『Regolith Jiyugaoka』をオープン。輪郭や骨格、髪質から似合わせるオーダーメイドスタイルに定評。ファッション誌やヘアカタログ、メーカーの講師としても活躍。

そもそも「フケ」とは何?

フケとは頭皮の角質が剥がれ落ちたものです。

肌の角質は、肌の生まれ変わりのサイクル(ターンオーバー)に合わせて、自然と剥がれ落ちるものです。しかしフケとして目立ってしまう場合は、正常なターンオーバー以外の要因で、角質が剥がれ落ちている可能性があります。

実はひとことに「フケ」といっても、次の2種類のタイプがあるのをご存じですか?

  • 脂性フケ

  • 乾性フケ

それぞれのフケは状態が異なるため、まずはご自身が気になっているフケが、どちらのタイプに当てはまるかをチェックしてみましょう。

脂性フケの特徴

  • 頭皮がべたついている人がなりやすい

  • 髪の根元に付着している

  • 塊で剥がれ落ちる

  • フケ自体も湿っている

  • フケの色は白~黄色

乾性フケの特徴

  • 頭皮が乾燥している人がなりやすい

  • パラパラとした細かい形状

  • フケ自体も乾燥している

  • フケの色は白

フケの原因

気になるフケへの効果的な対策方法を知るためには、ご自身のフケのタイプに合わせた原因を理解することが大切です。ここからはフケの原因を、タイプ別に見ていきましょう。

脂性フケの原因


過剰な皮脂分泌による常在菌の増殖

脂性フケの主な原因は、頭皮の過剰な皮脂分泌です。

もともと頭皮は、身体の中でも皮脂腺が最も多く、皮脂が分泌しやすい場所です。さらに10代後半からの思春期には、男性ホルモンの分泌が盛んになり、それに伴い皮脂の分泌も盛んになります。

また男性は、思春期以降も皮脂分泌が盛んな人が多いため、脂性フケになりやすい傾向があります。

頭皮の皮脂が過剰に分泌されると、頭皮の常在菌の一種である「マセラチア菌」が過剰に繁殖してしまいます。マセラチア菌は、雑菌や細菌の繁殖を防ぐ働きのある皮膚常在菌です。しかし過剰に繁殖した場合には、頭皮の炎症やかゆみ、ターンオーバーの乱れを引き起こすため、脂性フケの直接的な原因となります。

頭皮や髪に残った皮脂汚れ

日々の洗髪が十分でない場合、頭皮に皮脂汚れが残ります。この皮脂汚れも、過剰な皮脂分泌と同じように、マセラチア菌の増殖を引き起こし、脂性フケの原因となるのです。

乾性フケの原因


頭皮の乾燥

もともと乾燥肌の人は、頭皮の皮脂分泌量も少なく、頭皮が乾燥しやすい状態です。頭皮が乾燥していると、バリア機能が低下してターンオーバーの乱れが生じます。

この乾燥によるターンオーバーの乱れが原因となり、必要な角質まで剥がれてしまい、これが乾性フケとなるのです。

また必要な角質が剥がれてしまっている状態は、刺激に敏感な状態なので、さらにバリア機能が低下する悪循環を引き起こします。


シャンプーのやりすぎ

過剰なシャンプーによっても、乾性フケが生じることがあります。洗浄力が強すぎるシャンプーを使っていたり、1日に何度も洗髪を行っていたりすると、頭皮のうるおいや必要な皮脂も洗い流されてしまいます。その結果、頭皮が乾燥しやすくなり、ターンオーバーが乱れ、乾性フケが生じるのです。

脂性フケ・乾性フケに共通する原因

ストレスや睡眠不足、食生活の乱れなども、頭皮のターンオーバーの乱れにつながります。

ストレスを感じたり睡眠不足が続いたりすると、ホルモンバランスが崩れ、頭皮環境にも影響を与えます。また脂っこい食事が多くなるなど、食生活の乱れによっても皮脂分泌が過剰になるため、脂性フケのリスクが高まります。

フケを防ぐ効果的な対策方法

ここからはフケを防ぐ効果的な対策方法を紹介します。毎日のケアや生活習慣を見直す手軽な方法なので、ぜひ今日からトライしてみましょう。

適切な方法でシャンプーを行う

フケを予防するためには、まずは毎日のシャンプーを見直すことが大切です。

シャンプー前には、ぬるめのお湯でしっかり予洗いをして、頭皮の汚れを落とします。シャンプーは直接頭皮に付けるのではなく、手のひらで泡立ててから使います。

洗う際は指の腹で頭皮をマッサージするように、やさしく揉み洗いしましょう。

すすぎは丁寧に行い、シャンプーの落とし残しがないように注意します。

シャンプー後は、タオルで水気を吸い取るように、やさしくタオルドライをしてから、ドライヤーで乾かします。

頭皮が乾燥しないように、ドライヤーの送風口と頭皮は20cmほど離しましょう。


脂性フケの人におすすめのシャンプー

脂性フケが気になる人には、頭皮の汚れや過剰な皮脂を洗い流して、菌によるトラブルを防いでくれる「医薬部外品の薬用シャンプー」がおすすめです。

抗菌効果のある有効成分(ミコナゾール硝酸塩、ピロクトンオラミンなど)や、頭皮の炎症を抑える有効成分(グリチルリチン酸ジカリウム)が配合されているものが適しています。


乾性フケの人におすすめのシャンプー

乾性フケが気になる人は、洗浄力の強すぎるシャンプーを使うと乾燥が悪化してしまう可能性があります。そのため頭皮に必要なうるおいは残して、やさしく汚れを落としてくれる「アミノ酸系シャンプー」がおすすめです。

また頭皮用の保湿ローションを使用するのもいいでしょう。

生活習慣の見直しも大切

ストレスや睡眠不足によるホルモンバランスの乱れも、フケを引き起こす原因になります。生活習慣を整えて、適度な休息をとり、ストレスをためない毎日を心がけましょう。

また食生活では、脂っこい食事の取りすぎに注意し、ビタミンやミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

とくに皮脂分泌を促す脂質や糖質、ナッツ類の過剰な摂取は控えましょう。また皮脂分泌のバランスを整えるビタミンB2、ビタミンB6を含む食品を取り入れるのもおすすめです。

激しいかゆみや赤みを伴うフケは皮膚科に相談

「フケがなかなかおさまらない」「フケと一緒に、赤みを伴う発疹が出ている」といった場合は、皮膚科を受診しましょう。

頭皮の病気の中には、脂漏性皮膚炎のようなフケを伴うものもあります。フケが気になる人は、定期的に頭皮の状態をチェックして、気になるサインがあれば早めに皮膚科で相談することをおすすめします。

まとめ

フケは頭皮の角質が剥がれ落ちたもので、誰にでも起こる生理現象です。しかし「洋服につくフケの量が気になる」「頭皮にかゆみがある」といった場合は、適切なケアが必要です。

まずはご自身の状態が「脂性フケ」「乾性フケ」のどちらであるかをチェックして、フケのタイプに合わせた対策を行いましょう。またセルフケアでもなかなかフケが落ち着かない場合や、激しいかゆみや赤みを伴う場合は、早めに皮膚科に相談することが大切です。

毎日の適切なケアで、ぜひ健やかな髪と頭皮をキープしましょう!

この記事を書いた人

ライター:ナオ

化粧品メーカーで10年以上、スキンケアやヘアケア、メイクアイテムの企画や開発を担当していた美容ライター。日本化粧品検定1級の資格を保有。